北朝鮮の大学システム
大学の種類と特徴
北朝鮮の大学は一筋縄ではいかない?!
北朝鮮には、日本の大学とは異なる独自のシステムが存在します。大きく分けると、次のような種類があります。
- 総合大学: 日本と同じく、文系・理系など幅広い学部を持つ総合大学。金日成総合大学や金策工業総合大学などが有名です。
- 専門大学: 特定の分野に特化した大学。日本でいうと、医学部だけの大学や、芸術大学のようなイメージです。
- 軍事大学: 軍事関係者を養成する大学。入学は狭き門で、卒業後は軍の高官になる者も多いです。
日本の大学との違いは?
日本の大学との大きな違いは、入学の選抜基準です。学力はもちろんなのですが、北朝鮮では出身成分と呼ばれる、家系の社会的階級が非常に重要視されます。
また、大学進学はエリートの証とされ、卒業後は政府機関や国営企業への就職が約束されているケースが多いようです。そのため、学生たちは非常に勉学に励むそうです。
入学制度と難易度
学力は重要?それとも…?
北朝鮮の大学入試は、日本のように一発勝負ではありません。まず、各学校からの推薦を受ける必要があり、その推薦を得るためには、優秀な成績はもちろんのこと、思想的な面でも評価される必要があると言われています。
さらに、出身成分も大きく影響します。革命家の子孫や、労働党の高官の子弟は、そうでない学生に比べて有利になると言われています。
試験内容は?
試験は、学科試験と面接が行われます。学科試験は、大学によって科目や内容が異なりますが、政治思想や主体思想に関する問題が出題されることも特徴です。
倍率は?
正確な情報は公開されていませんが、一部の難関大学では数十倍の倍率になることもあるそうです。
学生生活とキャンパスライフ
想像とは違う?北朝鮮の学生生活
北朝鮮の学生たちは、勉学に励むだけでなく、様々な活動を通して社会主義の理想を追求しています。
勉強だけじゃない!課外活動
- 集団学習: 学生たちは、毎日のようにグループで集まって、授業の復習や討論を行います。
- ボランティア活動: 農村での労働支援や、建設現場での作業など、社会貢献活動にも積極的に参加します。
- 芸術活動: 学生たちは、音楽や演劇、舞踊などの芸術活動にも熱心に取り組んでおり、定期的に公演なども行われます。
学生寮での暮らし
多くの学生は、大学から離れた場所に住んでいるため、学生寮で生活しています。寮は相部屋が基本で、規則正しい生活を送ることが求められます。
卒業後の進路
卒業後の進路は、ほぼ決まっている?
北朝鮮の大学は、卒業後の進路もほぼ決まっていると言われています。優秀な成績を収めた学生は、政府機関や国営企業、研究機関などに配属されます。
就職活動はあるの?
日本のように、学生が自由に企業を選んで就職活動を行うことは一般的ではありません。卒業生の多くは、政府によって決められた職場に配属されます。
配属先は?
配属先は、出身成分や成績、専攻分野などを考慮して決められます。優秀な人材は、国の発展に貢献できる重要なポストに就くことが多いようです。
北朝鮮の大学に関するよくある質問
北朝鮮の大学に留学することはできますか?
留学は可能?
基本的には、外国人が北朝鮮の大学に留学することは非常に難しいです。ただし、過去には、中国やロシアなど、一部の国からの留学生を受け入れていたという記録もあります。
留学するには?
もし、北朝鮮への留学を希望する場合は、北朝鮮大使館に問い合わせるか、北朝鮮と関係の深い団体に相談する必要があります。しかし、許可が下りる可能性は極めて低いことを覚悟しておきましょう。
北朝鮮の大学の授業料はいくらですか?
学費は無料?
北朝鮮は、憲法で「社会主義的無償教育制度」を定めており、大学までの教育が無償とされています。そのため、学生は授業料を支払う必要がありません。
生活費は?
ただし、食費や住居費、教材費などの生活費は自己負担となります。生活費は、学生の家庭環境によって異なりますが、一般的には、月に数千円から1万円程度と言われています。
北朝鮮の大学で学べる専攻は何ですか?
文系から理系まで
北朝鮮の大学では、文系から理系まで、幅広い分野の専攻を学ぶことができます。
人気の専攻は?
特に人気が高いのは、科学技術や情報科学、医学などの分野です。これらの分野は、国の発展に貢献できるとして、重点的に育成されています。
北朝鮮の教育制度から見えるもの
教育機関の役割
教育機関は「思想教育の場」でもある
北朝鮮の教育機関は、単に知識や技能を習得する場であるだけでなく、主体思想や国家への忠誠心を育むための重要な役割を担っています。
教育を通して目指すもの
学生たちは、幼い頃から、金日成主席や金正日総書記の教えを学び、国家と指導者への絶対的な忠誠心を植え付けられます。
国際社会との関係
教育の閉鎖性
北朝鮮の教育は、国際社会から見ると、その閉鎖性が問題視されています。情報統制が厳しく、外部からの情報が遮断されているため、学生たちは、国際社会の現状や異なる価値観に触れる機会が限られています。
今後の教育改革に期待
近年、北朝鮮は経済発展に力を入れており、それに伴い、教育改革にも取り組んでいます。情報技術の導入や、外国語教育の強化など、少しずつですが国際社会との距離を縮めようとする動きも見られます。
謎多き北朝鮮の大学事情:その実態とは?
北朝鮮の大学は、厳しい入学制度、独特の学生生活、そして卒業後の進路まで、我々が知る日本の大学とは大きく異なる点が多くあります。
この記事では、北朝鮮の大学システム、入学制度、学生生活、卒業後の進路、そして北朝鮮の教育機関が果たす役割について解説しました。
北朝鮮の教育は、閉鎖的であると批判されることもありますが、近年では、経済発展に伴い、教育改革にも力を入れています。
この記事が、謎に包まれた北朝鮮の大学について、少しでも理解を深めるきっかけとなれば幸いです。